皮膚を守るバリアー機能が低下しないように、正しいスキンケアを行いましょう。
正しいスキンケアの第一歩は、脱脂力の強いアルカリ性の石鹸を使わないことです。
水分を保つために大切な皮脂膜を落としてしまうことが、皮膚のバリアーを破壊する最大の要因だからです。また、ナイロンタオルやスポンジでゴシゴシ擦ることも、皮膚表面の角質層を傷つけることになるため禁物です。
さらに長時間、熱いお風呂に入ることも皮脂を溶かしてしまうので控えましょう。
石鹸を使うとすれば、弱酸性のものを細かい泡を立てて、やさしくなでる程度にしてください。
皮膚炎のある部分は、すでに皮膚のバリアー機能が低下してしまっているので、石鹸は使わずシャワーで汗を流す程度にとどめることをお勧めします。
入浴後には、角質層に水分が残っている5分以内に保湿剤を塗ることを習慣づけましょう。
アレルギー検査として血液検査やプリックテストを行い、ダニ・ホコリアレルギーや食物アレルギーの有無を調べて、悪化要因の除去を行っていくことも大切です。
皮膚炎の治療方針としては、湿疹がひどいときにはステロイドの外用を積極的に行い、症状を早めに抑えるようにします。
しかしステロイド外用剤は長期間使用すると、皮膚が薄くなったり毛細血管が目立ってきたり、効果が薄くなってきたりします。あくまで緊急避難的に使用し、極力短期間で中止するようにしましょう。
皮膚の状態が落着けばステロイド外用は中止しますが、保湿剤の外用等によるスキンケアは必ず続けて行うようにしてください。
正しいスキンケアを行っていても湿疹がすぐに再発する場合には、維持療法としてタクロリムス軟膏という免疫抑制剤の外用を行います。
タクロリムス軟膏は長期使用での安全性が高く、維持療法に適しています。しかし、皮膚の状態が悪いときに使用すると、ほてり感などの刺激症状が現れやすいという欠点があります。
湿疹がひどいときにはステロイド外用を行い、症状和らげばタクロリムス軟膏を開始して維持していくという使い方がいいでしょう。
タクロリムス軟膏の外用を続けても皮膚炎の症状がでてしまう場合には、悪化する前に1週間に2日程度ステロイドの外用を予防的に行っていくプロアクティブ療法の併用をお勧めしています。
それでも症状が抑えられない場合は、内服のステロイド剤やシクロスポリンという免疫抑制剤の服用を一時的に行う方法も考えられます。
また夏場に日光浴でアトピー性皮膚炎の症状が軽快する経験をお持ちの方も多いと思います。紫外線が皮膚の炎症を抑える働きがあるからです。
当院ではナローバンドUVB(紫外線)の照射による治療(保険適応可)も行っています。
最終的には保湿剤を外用するくらいのスキンケアを続けるだけで、かゆみや湿疹の症状をコントロールできることが目標です。
どちらもステロイドの外用剤が効果的ですが、再発の予防には原因を避けることがもっとも大切です。
手湿疹であれば石鹸や洗剤などの水仕事をさけること、金属アレルギーであれば金属に触れるとなどです。
金属アレルギーや化粧品カブレなどで原因物質がわからないときには、パッチテストを行い原因を明らかにしていきます。
治療は主に、ウイルスの増殖を抑える薬の内服を行ないます。
顔面にできたものや痛みが強いときなどは入院して点滴で治療することもあります。
水疱が治っても、知覚神経に深い傷痕が残ると、帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが長く続くことがあるので、薬による治療を早く始めることが大切です。
神経に沿って痛みがあり、そこに赤みや水ぶくれが…。そんな時は、すぐに皮膚科を受診しましょう。
毛穴が詰まることによって、皮膚の中で垢が袋状にたまっている状態です。
ゆっくりと大きくなって、ひどく化膿する場合がありますので、小さいうちに局所麻酔をして切除することをお勧めしています。
化膿して腫れてしまったときは、症状が軽ければ抗生物質の内服で様子を見ることもありますが、腫れや痛みが強い場合はすぐに切開し排膿をすることが必要です。
その場合でも、当院では単に排膿するだけでなく、なるべくアテローマをすべて除去するようにしています。
多くが合わない靴(特に先が尖った靴)やスノーボードやサッカー、テニスなど足先に強く圧迫がかかるスポーツ、長時間の歩行、深爪などが原因でなることが多いです。
巻き爪は、合わない靴や爪ミズムシなど様々な原因で爪が横方向に曲がった状態のことで、陥入爪になりやすく注意が必要です。
どちらも誤った切り方により症状を悪化させる場合がありますので、専門のクリニックで相談することをお勧めします。